「東大の世界史ってめっちゃ難しい語句聞いてくるんじゃないの」と思っていませんか。これはよくある誤解です。東大の難しさは細かな知識ではありません。一体何が難しいのでしょうか。
東大世界史の出題傾向
東大世界史は大問3つで構成されています。 第1問が大論述。 第2問が小論述。 第3問が一問一答です。
大問1 大論述
大問1は600文字前後の大論述です。数世紀に渡る論述, もしくは複数地域に渡る論述, もしくはその両方を書かされる論述です。
時期も近代が多いですが,古代が出されることもあります。場所もヨーロッパも東アジアも,イスラーム世界,東南アジア,中央アジア,アフリカ,どこでも出ます。
以下の表を見ればわかる様に,ヤマを張っても当たらないと思った方が良いです。
年度 | 出題テーマ |
2023 | 1770年前後から1920年前後までの約150年間の時期に、ヨーロッパ、南北アメリカ、東アジアにおいて、諸国で政治のしくみがどのように変わったか、およびどのような政体の独立国が誕生したか |
2022 | 8世紀から19世紀までの時期におけるトルキスタンの歴史的展開について |
2021 | 5世紀から9世紀にかけての地中海世界において3つの文化圏が成立していった過程 |
2020 | 15世紀頃から19世紀末までの時期における、東アジアの伝統的な国際関係のあり方と近代におけるその変容について、朝鮮とベトナムの事例を中心に |
2019 | 18世紀半ばから1920年代までのオスマン帝国の解体過程について、帝国内の民族運動や帝国の維持を目指す動きに注目しつつ |
大問2 小論述
第2問が小論述となります。偶に一問一答が混ざりますが,30〜120字程度の論述問題が5,6問出ます。
「ちょっと細かすぎやんか」と思う問題も毎年1問くらいありますが,大体は標準的なレベルです。書くことも,「これを書いて欲しいんだろうな」とわかります。
大問1と同じく広く出題されるので,ヤマは当たらないでしょう。
大問3 一問一答
第3問は一問一答が10問ほど出題されます。偶に難しすぎるのもありますが、教科書には載っている語句です。90%以上取れるように努力しましょう。
東大世界史の対策
必要なスキルは次の3つと考えています。「そこそこの語句知識」「文章構成力」「無から思い出す力」です。
そこそこの知識
そこそこの語句知識とは,第3問の一問一答を安定して90%以上取れることを指します。問題集としては詳説世界史ノートやヒストリア,合格へのトライなどでしょう。一問一答はお勧めしません。流れが頭に入りにくく覚えにくいからです。マーク式もお勧めしません。東大の問い方と違うからです。
詳しい具体的な取り組み方は以下の記事をご覧ください。
文章構成力
大問1は数世紀に渡る論述, もしくは複数地域に渡る論述, もしくはその両方を書かされる論述です。思いついたことをテキトーに書いている様では,時代や場所がぐっちゃぐちゃになってしまいます。
これは世界史に限らず,記述問題を解くことで力がついていきます。また1番は実際に過去問を解くのが1番良いでしょう。
無から思い出す力
例えば「江戸幕府を開いたのは?」 みたいに聞かれたら,「徳川家康」の他、関ヶ原の戦いや武家諸法度など周辺情報を思い出すでしょう。丁度数珠繋ぎのように。しかし「16世紀から17世紀にかけてヨーロッパで起こった変化は?」みたいに聞かれると数珠の最初の玉が分からず, 一気に難易度が上がります。これが難しさの原因となります。必須語句が書かれていることがせめてもの救いです。
手っ取り早いのは過去問を解くことです。他に問題集としては河合塾の「判る!解ける!書ける!世界史論述」やZ会の「段階式世界史論述のトレーニング」を挙げておきます。
何度も言いますが過去問が1番最適です。
あとはまっさらな白紙に習ったことを整理しながらまとめることです。先生の授業を何も見ずに再現できれば完璧でしょう。
終わりに
論述問題なので必ず添削が必要です。自分で添削できる人は未だ見たことがありません。
学校の先生でも,塾の先生でもいいので添削を頼んでください。
近くに頼れる人がいなければ下記からお気軽にお問い合わせください。
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