こんにちは。無限塾東京校校舎長の鈴木愛弥です。まずは宣伝させてください。
今回は計画の立て方を解説していきたいと思います。最初に計画を立てるメリットを列挙し,その後心理学の視点からどのように計画を立てるべきか,を解説します。
計画を立てるメリット
まずは計画を立てるメリットです。いくつもあると思いますが,ここでは絞りに絞って3つ紹介します。
合理的,効率的に行動できるように
計画を立てることでやるべきことが明確になります。例えば,5教科で400点を取るという目標に対して,それの達成方法はいくつもあります。満遍なく80点取るのか,数学と理科で100点取って他3教科は70点を取るのか。計画を立てることで,目標達成するためにやるべきことを明確にして,やるべきことを一本化させます。一本化すると言うことは無駄な努力を削ぎ落とすことができるので,合理的で効率的に目標を達成することに繋がるのです。
やる気が上がる
2つ目にやる気が上がります。計画を立てることで大きな目標を達成するために必要な小さな目標を作ることになります。例えば1ヶ月で300個英単語を覚えると言う目標に対し,1日に10個ずつ覚えると言う小さな目標を立てることになります(このやり方は本当は良くない)。小さな目標を立てることで,それを実行できた際に達成感を得られます。これはやる気アップや自信アップに繋がるのです。
反省しやすい
最後に反省しやすくなり,今後の行動に活かしやすくなります。細かくやることを分けているので,どこで失敗したかが明白になります。これにより改善策が練りやすく,素早く軌道修正することができるのです。
計画の立て方〜教育心理学の視点から〜
ここでは教育心理学の視点で計画の立て方を解説します。少々抽象的な話になりますが,できるだけ噛み砕いて解説します。ここでは自己効力感を高めるため,計画を立てる際注意すべきことを述べます。
自己効力感とは
まず自己効力感という聞き馴染みのない言葉が出てきました。バンデューラが提唱した概念で,自己効力感とは目標達成に必要な能力を自分が持っていると認識することです。つまり,「自分ならできる」感です。
例えば「数学の成績を上げる」という目標に対して,「1日10問解く」という計画を立てるとします。この人の中で,「1日10問解く→数学の成績を上がる」と思っており,このようなこうすれば目標達成できると考えるのを結果期待と呼びます。対して「自分に,1日10問解けるかどうか」という,自分なら計画を実行できる感を自己効力感と呼びます。
また私は計画と目標は同じものと考えて問題ないと思います。「1日10問解く→数学の成績を上げる→〇〇大学に受かる→〇〇商事に就職する→いっぱい稼ぐ」のように計画と目標は表裏一体だからです。
この自己効力感が低いと「自分には目標,計画を達成できない」という考えに陥り,勉強しなくなってしまいます。つまり自己効力感はモチベーション維持に密接に関わってくると言うことです。
自己効力感を高めるために
ではいかにして自己効力感を高めることが出来るでしょうか。バンデューラは自己効力感を決めるものを次の4つと考えています。
- 遂行行動の達成:実際に遂行することで得られる最も強力な情報。「計画通りできた!」
- 代理的経験:他者の行動から得られる情報。「自分にもできそうだ!」
- 言語的説得:他者から得られる説得や励ましの情報。「お前なら出来る!」
- 情動的喚起:生理的知覚に関する情報。ドキドキ,不安,緊張など。
つまり1番上の「達成できた!」という感覚をいっぱい感じることが大事なのです。これはバンデューラの実験でも明らかになっています。
算数が不得意で興味のない小学生に対して行いました。まず引き算の課題を与えます。そして4つのグループに分けます。1つ目は「1回に6ページを目標に学習(近い目標群)」,2つ目は「7回に42ページを目標に学習(遠い目標群)」,3つ目は「教材は渡すが目標を設定しない」,4つ目は何もしない。最後にもう一度課題をやってもらう,という実験です。重要なのは近い目標群と遠い目標群で行う学習総量は変わらないということです。
まずテストの成績ですが,「近い目標群」が圧倒的に正答率を上げました。これは予想通りとして,次に正答率を上げたのは「目標なし群」だったのです。つまりあまりに遠い目標を設定することは逆効果だと言うことです。
自己効力感についても調べると,「近い目標群」は大きく上がりました。こちらも最終的には「目標なし」群が2番目に自己効力感が高いという結果になりました。「遠い目標群」は2回目のテスト前までは上がりましたが,テスト後には自己効力感がグッと下がりました。下図がその結果を表に表しているものです。

以上のことから自己効力感を上げることは成績上昇につながり,自己効力感を上げるためには小さな目標を設定して成功経験を積み重ねる必要があると言うことです。
終わりに
いかがだったでしょうか。計画を立てる際に,「何をすべきか」を考えることは結構皆しますが,「何ができるか」に注目することは無かったのではないでしょうか。「細かく,小さく,達成できる」計画を立てることが重要なのです。

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